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中国製FPGAツールチェーンPDSへの移行:VivadoからPango/FudanMicroへの実際の手順

2026-10-28 推定読了時間:12分 Duyuan Electronics 研究開発チーム

国产化移行というとチップ交換が中心だと思われがちだが、最初の難関は実はツールチェーンだ。VivadoからPangoのPDS、あるいはFudanMicroのEDAへ移行すると、プロジェクトの開き方、制約ファイル、IPのインスタンシエーション、タイミングクローズのすべてが変わる。本稿では移行をステップごとに解説し、各ステップで何が変わるか、陥りがちな罠、必要な工数を示す。

まず理解する:PangoとFudanMicroは移行経路が異なる

Vivadoから国産ツールチェーンへ移行する際、「どのEDAも同じだろう」と考える人が多い。実際にはPangoとFudanMicroは大きく異なるため、まずどちらのラインに直面しているかを把握する:

対象チップ ツールチェーン プロジェクトの開き方 難易度
Pango Titan3 / Kosmo-2 Pango Design Suite (PDS) プロジェクト構造、IPライブラリ、制約構文がVivadoと異なる 中、フローは似ているがプロジェクトの再構築が必要
FudanMicro JFM7シリーズ FudanMicro EDA 7シリーズ互換デバイス、構造が類似 中低、IPライブラリのマッピングし直しが必要

Pangoは「新アーキテクチャ+自社PDS」路線なので、Vivadoプロジェクトは基本的に再構築が必要。FudanMicroは「7シリーズ互換+類似フロー」路線なので、プロジェクトのより多くを再利用できる。以下のステップは汎用的で両者に適用される。

ステップ1:Vivadoプロジェクトを分割する。丸ごと移動しない

Vivadoの`.xpr`プロジェクトファイルは国産ツールチェーンで開けない。正しいアプローチは、プロジェクトを「再組み立て可能な部品」に分割すること:

1. RTLソース:`.v`/`.vhd`ファイルはプレーンテキストであり、そのまま再利用可能(Xilinx専用プリミティブに依存していない限り)。

2. 制約ファイル:`.xdc`の構文の多くは読めるが、ピン配置とクロック定義は新デバイス向けに書き直す必要がある。

3. IPコア:XilinxのFIFO/BRAM/PCIe/DDR IPは直接使えない。国産ベンダーの対応IPをインスタンシエーションする。

4. シミュレーションとテスト:`tb`ベンチは再利用できるが、シミュレーションに使うIPライブラリのパスは変更が必要。

必要な工数

3〜5人のFPGAチームが、プロジェクト分割と国産ツールチェーンでの骨組み再構築に3〜5営業日を要するのが一般的。実際のコストはここではなく、後述の制約とIPにある。

ステップ2:制約ファイルが最初の落とし穴

`.xdc`の構文はVivadoと非常に近いが、細部が異なり最も罠が多い:

  • ピン配置:BGAのBall Mapが異なるため、`set_property PACKAGE_PIN`を新デバイスに対してやり直す必要がある。PangoはPDSの`PACE`ピンツールを使う。FudanMicroも同様のフロー。
  • クロック制約:`create_clock`/`create_generated_clock`の構文は互換だが、クロックソースのリソース名(水晶発振器、MMCM/PLL)は変更が必要。
  • IO規格:LVDS、LVCMOS、バンク電圧の設定は新デバイスのデータシートに合わせてやり直す。

実践的なヒント:まずPDSで`PACE`を使って初回のピン配置を行い、制約をエクスポートする。手書きで`.xdc`を書くよりはるかに確実で、修正ラウンドを数回節約できる。

ステップ3:IP再インスタンシエーション・チェックリスト(コストの核心)

移行コストの最大部分。IPの種類によって工数が大きく異なる:

IPタイプ Vivadoネイティブ 国産代替 工数
DDRコントローラ MIG (DDR3/DDR4) 国産DDR PHY + コントローラ 高:タイミング、キャリブレーション、トレーニングフローが異なる
PCIeハードコア Integrated Block for PCIe 国産PCIe PHY + 列挙 中:パラメータ再調整、ロジックは再利用可能
高速トランシーバ GTX / GTH / HSST 国産トランシーバPHY 高:リファレンスクロック、プリエンファシス、イコライザを再調整
FIFO / BRAM / DSP Generator IP 国産ベンダーIP 低:再生成、ロジック再利用可能
PLL / MMCM Clocking Wizard 国産クロックIP 低:パラメータ再入力

高速インターフェースIP(DDR、PCIe、SerDes)は「パラメータを変えて終わり」ではなく、ボードレベルの信号完全性を伴う。PCBはXilinxリファレンスデザインに合わせてルーティングされており、国産PHYに切り替えた後はアイダイアグラムの再測定、イコライザの再調整、リンクトレーニングの再実行が必要。これが通常、移行において最も制御困難な部分であり、少なくとも2〜4週間を見込む必要がある。

ステップ4:タイミングクローズと反復

国産FPGAは同クラスでもXilinxよりタイミングマージンが厳しいのが一般的。100MHzで20%のマージンがあった設計でも、移行後は5〜10%になることがある。対応:

1. 国産ツールチェーンで再合成・配置配線を行い、タイミングレポート(PDSの`Report Timing`、FudanMicro相当)を読む。

2. クリティカルパスを特定し、RTLを最適化するかパイプライン段を追加する。

3. タイミングがクローズするまで合成を反復する。

これは通常1〜2週間を要し、設計の複雑さと元のタイミングマージンに依存する。

着地チェックリストと典型的なスケジュール

「Vivado → 国産ツールチェーン」移行を上記4ステップで連鎖させると、典型的には以下のようになる:

ステップ 内容 標準期間
プロジェクト分割 RTL再利用、骨組み再構築 3〜5日
制約の書き直し ピン/クロック/IO規格のやり直し 3〜5日
IP再インスタンシエーション DDR/PCIe/トランシーバが支配的 2〜4週間
タイミングクローズ 合成+配置配線+反復 1〜2週間
ボード検証 ブリングアップ、アイダイアグラム、リンク回帰 2〜4週間

中程度の複雑さのプロジェクトで合計1〜2か月、コストはIP再インスタンシエーションとタイミングクローズに集中する。

ボード選定のアドバイス:国産ボード群の構成

移行用のボードを選ぶ際は、まず対象がどのチップラインかを確認し、対応するボードを選ぶ:

  • FudanMicro JFM7VX690T (DUF7690T):Virtex-7クラスのリソース、7シリーズとピン互換パッケージ。Xilinx 7シリーズからのピンツーピン移行向け、工業温度対応。
  • Pango Titan3 (PG3T500):新アーキテクチャのハイエンドプラットフォーム。大リソースが必要でPDSフローを実行する設計向け。
  • Pango Kosmo-2 (PG2K400):ARM+FPGAヘテロジニアス。ZYNQ/MPSoCスタイルの設計を国産SoCへ移行する向け。

国産ツールチェーン移行の真の障壁は、RTLが移せるかどうかではなく、制約、IP、タイミングをすべてやり直す必要があることだ。まずプロジェクトを分割し、制約を書き直し、IPとタイミングクローズに注力し、「1〜2か月、IPが大きな項目」としてスケジュールと予算を計画すれば、移行は途中で頓挫せず計画通りに着地する。

さらに読む

  • [国产化移行の実コスト:TCOフレームワーク](/article/china-fpga-migration-tco-cost-framework/)
  • [国産ZYNQ代替の実践:XC7Z020からPBC7Z020G/021Gへ](/article/zynq-china-replacement-pbc7z020-practical/)
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